「きみがくれた未来」


新年2本目はみゆき座で「きみがくれた未来」。2年前の快作「セブンティーン・アゲイン」の監督バー・スティアーズ×主演ザック・エフロンの再タッグ作。前作ほどではないですがおもしろく観られました。中盤ある尋ねびとが主人公のもとへやってくるあたりで「もしかして大林宣彦のあれか」と思いましたが、ちょっと無理はありつつも最終的にそういう方向へもっていかなかったことをわたしは買いたい。ボストン在住でもないのに弟がレッドソックスのファンなのは父親の不在と関係があり、死後もスタジャンを着て現れるようにかれにとって兄は父親代わりでもあったことがうかがえます。そしてその父性を必死に保とうとする兄の痛々しさはどこかアメリカの姿に重なる。国旗が意味ありげに登場するのも戦死した親友の姿が見えたりするのもそういう意味があるのではないかと勘ぐってしまいました。ザックくんはどしゃぶりの中泥んこになって跳ねまわるシーンがとくに輝いてますが全体にすこしおとなっぽくなった印象。弟役のチャーリー・ターハンくんは目がすでにマッツ・ミケルセンなので将来に期待します。原作の舞台はマサチューセッツ州マーブルヘッドだそうですが撮影はバンクーバーとのこと。港町の幽玄な日暮れどきがうつくしい撮影は「レポゼッション・メン」やダニー・ボイルの新作「127 Hours」も担当しているエンリケ・シャディアック。やはり「レポメン」観なくてはと思いました。

チケット切るときにもらったザックくんのお写真。正直扱いに困ってます。